妊活で睡眠は大切なんだろうな、と思いつつ、実際は寝不足じゃないですか?
働き盛りのアラフォー、仕事が忙しいしストレスもすごい…という人も多いですよね。
睡眠不足やストレスは妊娠率を下げる原因となるだけでなく、生殖ホルモンのバランスや体内時計の乱れにも影響をおよぼします。
また、じゃあいったいどれだけ寝ればOKなの?解決策は?というギモンにも答えますね。
あなたが今、睡眠足りてないな…と感じるなら、以下の対策を参考にしてください。
寝ないとなにがまずいの?
カンタンに言うと、忙しさ・ストレス・生活習慣の乱れ→眠れない→妊娠しにくくなる、という関係です。
どういう理由でそうなるのか、根拠とともに見ていきましょう。
睡眠不足だと妊娠のチャンスが減る
適切な睡眠が取れない状態では、ホルモンのバランスが崩れ、妊娠しにくくなる可能性があります。
女性の睡眠時間と睡眠の質と不妊の関連を調査した研究結果では、睡眠時間が短い(5時間未満)女性と長すぎる(9時間以上)女性は、7-8時間の睡眠時間を持つ女性に比べて、不妊のリスクが高いという結果が示されています。
研究論文:"Sleep duration, sleep quality and fertility in women" (出典: Fertility and Sterility, 2018)
私も不妊治療院で、睡眠は7時間はとり、遅くても23時までには床についてください、とアドバイスを受けました。
とはいえ会社員時代は多忙だったので、終電で帰宅もザラ。
がんばっても帰宅は22時過ぎ。
急いでご飯を食べてお風呂に入り、23:00に就寝なんていう生活を送っていました。
妊活中のストレスが睡眠に影響する
妊活中のストレスは睡眠に悪影響をおよぼす可能性が高く、睡眠不足がストレスの増加にもつながる悪循環になることが。
「睡眠」ですが、健康の要としてよく言われている「睡眠、食事、運動」の中でもストレスとの関係が深いものです。
「満足に眠れない」ことも大きなストレスとなります。 世界的にみても日本は睡眠不足な国です。厚生労働省の調査によると21.7%の人が「睡眠が十分にとれていない」と答えていて増加傾向にあります。
母性健康管理等推進支援事業 厚生労働省 https://www.bosei-navi.mhlw.go.jp/health/column-7.html
ストレスと睡眠は密接に関連しており、妊活中のストレスを軽減することで睡眠の質が向上し、妊娠のチャンスを高めることができるでしょう。
生活習慣の乱れも睡眠に悪い
妊活中の生活習慣の乱れは、ホルモンバランスの乱れや体内時計の乱れにつながり、睡眠の質に影響をおよぼす可能性があります。
睡眠も生活習慣そのものです。そして快眠は規則正しい睡眠習慣から生まれることを忘れてはいけません。
厚生労働省 快眠と生活習慣 https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/heart/k-01-004.html
体の中には体内時計があり、睡眠のタイミングを決めるだけではなく、前もってホルモンの分泌や生理的な活動を調節し、睡眠に備えてくれます。これらの準備は自分の意志ではコントロールできません。
規則正しい生活こそが、体内時計を整えそこにプログラミングされている睡眠を円滑に行う秘訣なのです。
妊活中の生活リズムの乱れは睡眠に悪影響をおよぼす可能性があるため、規則正しい生活リズムを確立することが重要です。
規則正しい生活を送ることで体内時計が整い、睡眠の質が向上し、妊娠への可能性が高まります。
睡眠不足を解消するには?
睡眠の質をあげる
睡眠の質を向上させるためには、日中のリズムを整えることと睡眠前の習慣を改善することが重要です。
厚生労働省の『健康づくりのための睡眠指針』には、以下のように書かれています。
適度な運動、しっかり朝食、ねむりとめざめのメリハリを
健康づくりのための睡眠指針 厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10900000-Kenkoukyoku/0000047221.pdf
定期的な運動や規則正しい食生活は良い睡眠をもたらす
朝食はからだとこころのめざめに重要
睡眠薬代わりの寝酒は睡眠を悪くする
就寝前の喫煙やカフェイン摂取を避ける
また、睡眠1時間前には、スマートフォンやパソコンの使用を控えたほうがいいとも言われています。
その理由は、睡眠を促すホルモンとして有名なメラトニンは卵子の質にも影響するから。
メラトニンは卵胞液中に高濃度に存在していることが確かめられており、卵の質が不良な体外受精患者にメラトニンを投与すると、卵胞液中の酸化ストレスが軽減し、卵を保護し、卵の質を改善させるという報告があります。
メラトニンを分泌させるためには、朝と昼は日の光をしっかり浴び、夜寝る前に部屋を暗くする事が大切です。
パソコンやスマートフォンなどから出るブルーライトの光はメラトニンの分泌を阻害しますので、寝る1時間ほど前から使用しないほうが良いでしょう。
寝室は快適に
快適な睡眠のためには、明るさ、音、温度と湿度が大切とされています。
明るさ
眠るときの明るさとしては0.3〜1.0ルクス程度がいいとされています。薄暗くものの形がうっすらとわかる程度の明るさ。
引用:西川株式会社 https://www.nishikawa1566.com/company/laboratory/topics/10/
寝る前の時間を過ごす明るさも大切。いい眠りの前にはゆっくりとした落ち着いた時間が大切です。
音
できるだけ静かな環境を作って欲しいのですが、光と同様に全くの無音状態だと不安な気持ちになるそうです。そよ風に揺れる木の葉の音や、静かに保たれている図書館ぐらいの音(30〜40dB程度)が、おすすめです。
引用:西川株式会社 https://www.nishikawa1566.com/company/laboratory/topics/10/
温度と湿度
睡眠環境の温度で意識したい場所は2つあります。一つは寝室。もう一つはおふとんに包まれた人が入る小さな空間(寝床内)です。
引用:西川株式会社 https://www.nishikawa1566.com/company/laboratory/topics/10/
寝室の環境の室温として許容されるのは夏季で28℃以下、冬季で10℃以上となります。
お布団の中の快適な温度は、33±1℃。この温度をいかに実現して維持するかが「いい眠り」の大きなポイントです。
ストレス管理とリラックス
ストレスの軽減により、睡眠の質が向上し、妊娠への可能性も高まります。
ストレス管理とリラックス法を取り入れることで、妊活中のストレスを軽減し、睡眠の質を向上させることができます。
ストレスへの対処法について、厚生労働省のサイトが参考になります。
ストレスそのものに対する働きかけによってストレスをなくしてしまう方法、ストレスに対して自分自身ならびに周囲の人の協力を得て解決する方法、ストレスによって発生した自分の不安感や怒りなどの感情を周囲の人たちに聴いてもらうことによって発散する方法などがあります。
引用:こころの耳 https://kokoro.mhlw.go.jp/nowhow/nh004/
リラックス方法の種類としては次のような方法があります。
- ぬるめの入浴
- 音楽を聴く
- 軽い読書
- 香りを楽しむ
- ストレッチング
- ゆっくり深呼吸をする
- ヨガ
自分の時間は自分で守る
仕事などで時間がなくて単純に寝る時間がない、という人もいますよね。
アネも、終電で帰って、翌朝7:00には家を出る、という生活の時がありました。
妊活を意識するようになって、絶対に23:00には寝て、7時間睡眠を死守しよう、と心に決めました。
上司からは、夕方呼ばれて、これ明日までにやっておいて、などのムチャぶりをされた時は、はっきりムリと言うようにしました。
子供が産めなくても会社は責任取ってくれません。
自分の人生は自分でコントロールすると決めて、絶対にやらねばならないことをとにかく意識すると、何とか睡眠時間は確保できるようになりました。
あなたの人生の優先順位を明確にして、判断してください。
いますぐ睡眠を改善しよう
睡眠不足が積み重なった状態を睡眠負債と呼びます。
これは命に関わる病気の危険性を高め、同時に生活の質を低下させます。
さらに先にも書いたように、ホルモンのバランスが崩れ、妊娠しにくくなる可能性があります。
休日に「寝だめ」する人が多いですが、これでは睡眠負債は解消できません。
寝だめすることで逆に睡眠と覚醒のバランスが乱れて、休日明けに「時差ボケ」状態になります。
平日の睡眠時間を増やし、できるだけ朝型に切り替えましょう。
早寝早起きのリズムができるまでに2 ~ 3 週間はかかります。
いますぐ生活を改善することで、ホルモンのバランスをととのえ、1日でも早く妊娠しやすい体に近づきましょう。
参考:山口県医師会会報
まとめ
・睡眠は7~8時間はとり、遅くても23時までには床につくのが理想。
・睡眠時間が短い(5時間未満)女性と長すぎる(9時間以上)女性は、7-8時間の睡眠時間を持つ女性に比べて、不妊のリスクが高い。
・ストレス、生活習慣の乱れも睡眠不足の原因になる。
・睡眠の質を上げるには、生活リズムを整える、睡眠前の習慣を改善、快適な寝室にする、ストレスの軽減をする。